ご家族を心配してサポートしてあげたいと
感じている優しいご家族の方へ
ご家族が強迫性障害で苦しんでいる方、心配されていると思います。
家族としてどうしたらいいのか、頭を悩ませている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
当事者の方に何をしてあげられるのか?と考えている、そんな方に読んでいただければと思います。
この記事は以下のような方に向けて書いています。
・強迫性障害のご家族がいる方
・診断は受けていないものの、家族に強迫性障害のような症状がある方
家族がしたい3つの対応
自身は今も強迫性障害と向き合いながら生活していますが、ほぼ寛解の状態と言われています。
症状がひどいときは働けなかったり、仕事を休んでいた時期もありますが、現在は仕事も休むことなく行っていますし、コロナ前は外出や旅行等も行けていました。
早速、下の方に具体的に3つの対応方法と詳細や注意点を書いて行きます。
当事者に対する言動
現在は、一人暮らしをしていますが、発症当時、家族と暮らして居ました。
その経験をもとに当事者から見て、家族にどのように接して欲しいかなどを書きます。
少しでもご参考にして頂ければ、と思います。
病気のことをなるべく理解する
今は本やインターネットなど、たくさん調べる方法があります。
まずどんな病気かどんな症状かを出来るだけ調べて、理解を深めることが第一歩です。
やはり一番近くにいる家族に理解してもらえていることは、心の支えとなります。
当事者でないと、理解しにくい所も多々あるかと思いますが、理解する努力をしてもらえるだけでも嬉しいです。
「やめなさい」「おかしい」と責めるのは絶対にNG!
強迫性障害の患者本人は、自分が行き過ぎた行動をしていることをはっきりと認識しています。
おそらく本人が一番、自分自身を責めているでしょう。
でも、分かっていてもやめられないのが強迫性障害なのです。
そこで周りが責めてしまうと本人は、精神的にさらに追い詰められます。
家族としても、受け入れ難く感じられる事実でしょうが、どうか落ち着いて接してあげてほしいです。
周りが無理にコントロールしようとしないで下さい。
強迫観念はなくなるものではないのです。病気が良くなったとしても強迫観念は浮かんできますので、目指すのはそれに振り回されずに生活することです。
矛盾点を指摘するのはNG
強迫性障害による強迫観念や強迫行為は、傍から見ると矛盾しているように思うことがあります。
それには、以下のような思考が起こっているためです。
例は自身の経験から思考の流れを具体的にあげます。
私は強迫性障害の中の不潔恐怖に当たる症状でした。汚いものに過剰な嫌悪感を感じるのでそれについての経験を書き出しました。
周りから見ると不可解な行動の裏側…
・綺麗好きのくせに掃除をしない(できない)
➡本当はしたいけど、汚いものが触れない→触った後に長時間手を洗わなければならないことになる。それを避けるためだんだんと触れるのを拒否するようになり、結果、掃除ができなくなる。
・綺麗好きのくせに入浴しない(できない)
➡本当は入りたいけど、洗う・流すのに時間がかかりすぎて、体力的・精神的に疲弊する。それが辛くて入ること自体を次第に嫌煙するようになる。
・本人の中で独自の境界線がある
➡一言に汚いと言っても、何にどれくらい汚さを感じるかは、本人の中に基準がある。おそらく当事者でなくても、皆そうですよね。そのため、大丈夫なものとそうでないものは本人にしか分からない。
「それは気にならないの?」など家族なので、冗談めかして指摘されたことがあります。
笑ってスルーできる事もありますが、なんとか症状と向き合いながら、生活している中でこのように言われると正直傷つくこともあります。
先ほども言いましたが、本人は全て認識出来ているので、矛盾点があることも理解しています。
巻き込みには注意する!
巻き込みとは、本人が不安なために家族にも確認したり、同じように強迫行為をすることを強要することです。
可哀想だから・これで落ち着くならと、応じてしまうとさらに症状が悪化します。
巻き込み行為自体もエスカレートするでしょう。
確認や行為を強要されたときは、少し時間を置いてみます。言われた直後に応じずに、少し待ってもらいましょう。これは不安が起きてもすぐに反応しない事につながります。
本格的な治療等のサポート
上では、精神面での接し方を主に書きましたが、実際治療等を受けられるようになった時に家族にしてもらって助けられた内容をあげたいと思います。
病院へ付き添ったり、症状を調べるなど治療への手助けをする
これはご本人の意思がとても大切なので、様子を見ながらすすめましょう。
あまりにも症状がひどく、外出が出来ないのに無理矢理病院に連れて行くなどはおすすめしません。その場合は、まずご本人と一緒に症状や治療方法を調べて見ると良いと思います。
良くなった方の話を聞くと、治療にも前向きになり外出のきっかけになるかもしれません。
私は集団で行う行動療法に参加しました。その時に親も一緒に参加してきてくれたり、その会場まで送迎してくれたりとサポートがありました。そのようなことをしてもらうと家族が理解してくれている安心感によりモチベーションの向上にもつながると思います。
一緒に行動療法を実践してみる
行動療法を一緒にやってもらえることは、大きなサポートとなります。
行動療法をお家で実践する場合には、ご家族も一緒にやってくれると勇気が湧きます。
もうひとつは、自分以外の人の恐怖対象への感覚が認識しやすいので、自分はやはり過剰に反応しているんだなと言う事を改めて理解出来るようになります。
例えば、以下のようなことです。
私は汚いと感じるものを触った後、何度も何度も手を洗う
→家族や他人は手洗いを1度で済ませてもその後普通にしている
このように自分以外がどのような感覚かを認識できる機会となります。
交流会などへ行き気持ちを共有出来る人と会う
今はコロナ禍で集会などやっていないところもありますが、鬱のように世の中にまだ知られていないだけで水面化ではたくさん強迫性障害の情報があります。
その情報交換や交流の場へご家族だけでも参加出来るものもあるので、それに行って他の人のお話を聞いてみると心が落ち着くと思います。
ご家族の立場でも「家族に強迫性障害のものがいるのは自分だけではない」と他に理解してくれる人がいると言うのはとても心強いことです。
ご本人の外出が可能なら、一緒にぜひ行かれると良いと思います。自身もここで知り合った親御さんと今でも交流しています。
最後に
もう一つ、最後にとても大切なことがあります。
それは、ご家族の方が「自分のせいで当事者がこの病気になったのではないか」と自分を責めることがありますがそれは違います。特にお子さんが強迫性障害になっている場合に、親御さんはこういうことを考えがちかと思います。
この病気は誰かせいで発症するものではありません。私の親は、まったく細かいことは気にしないし潔癖症でもありませんでした。この病気は脳機能の癖が原因ともいわれています。遺伝ではなく、本人の個性のようなものなので、ご家族がご自分を責めることは必要ありません。
その時間をぜひサポートに使ってあげてください。
強迫行為をやめる方法も記事にしていますので、コチラも是非お読みください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント