他の記事でも対処方法はご紹介しました。あちらも参考にしていただければとは思います!
ですが、強迫行為をいきなりゼロにするなんて無理!という方にまずは一歩ずつ取り組んでいきませんか?というご提案です。
そもそも強迫行為に振り回されないで、落ち着いていられるならこんな辛い思いしてません!という方もたくさんいらっしゃると思います。
この記事は、以下のような方に参考になります。
・病院へ行かずに、自宅で強迫行為を止める方法が知りたい
・薬物療法や病院でハードな対処方法ではなく、まず出来るところから始めたい
そんな方に、私が実際に取り組んでいた対処方法をご紹介したいと思います。カウンセラーの先生のアドバイスからの方法もあれば、自分で考えてやってみていたことなどを書いて行きたいと思います。
私自身は不潔恐怖なので、それに対応した内容になっています。ただ少しアレンジすれば、他の恐怖症の方にも活かしてもらえるかもしれません。
※自分で考えたやり方については、場合によっては症状が悪化する方がいるかもしれません。すでにカウンセリングを受けていらっしゃる場合は、先生とご相談ください。
時間や量を制限する!
私は不潔恐怖のため、手洗いやシャワーに長時間かかっていました。もう終わりが見えないほどに手を洗い、体を流していました。辛かったです。
洗っても、流しても、よし終わりと離れようとした途端、本当にちゃんと洗えた?本当にしっかり流せてる?と強迫観念が悪魔のささやきをしてきます。
その観念はどうにもこうにも頭から離れてはくれないので、行為の方をコントロールします。
そこでストップウォッチの登場です。
まず、初めてトライする方は、洗面所にストップウォッチを設置し、手を洗い始める前にスタートさせ、終わったら止める。
ただ手を洗っている時間を測るだけです。それだけです。この時間を測るというのをしばらく続けてみます。期間はご自身で決められたらいいと思います。いつもどのくらいの時間が掛かっているかを認識してください。
次に、時間を測ることが習慣化出来たら、いつも掛かっていた時間をタイマーにセットし、手を洗います。タイマーが鳴ったら、手を洗うのを終了してください。
最後に、そのタイマーの設定時間を少しずつでいいので短くしていきます。10秒刻み・30秒刻み・1分刻み、どれでも大丈夫です。
例:いつも10分掛かっていた手洗い時間→9分に設定(これを数日)→8分に設定(これを数日)
このように続けていきます。前より短ければ、設定時間は好きでいいと思いますし、短くしていく感覚も出来そうなところからでいいと思います。
毎日設定時間を短縮させるのは難しければ、数日スパンでもいいです。一気にやるとうまくいけば、すぐに効果出ますが、その分、不安感が一気にあがるので辛さも強く出ますし、堪えらきれずに強迫行為が爆発する可能性もあります。
ご自身のコンディションと相談しながら、無理なくやるのが一番と思います。
「一回だけ」と決める!
こちらはオリジナル対処方法です。
強迫行為やらない!と決めてみたものの、あー、無理。不安で不安でたまらない!強迫行為をやりたい!我慢できない!となるときありますよね。
どうしよう、やったらだめだけど、やりたい!!とずーっと葛藤を繰り返して、前にも後ろにも進めず、呆然と立ち尽くしてしまう。そんな時に自分を許してあげてもいいのではないかと思います。
それは見出しの通り、一回だけやっちゃいます。一回やるとさらにやりたくなるから一切やらないのがいいとされているのは、重々承知です。
でもそんな簡単にスルーさせてくれないのがこの強迫観念です。専門家から見たら、何言ってるんだ!となりそうですが、自分で立ち向かおうとしている方にはこんなところからでもいいのではないかと思います。
やりたい!となったら、一回だけ!!!!と決めます。
そして強迫行為をやります。
それ以降は、どんなに衝動がきても一回やったからね!と自分に言い聞かせます。
これを強迫行為がしたくなった時にこの一回ルールを繰り返します。一回でもやってしまう事を繰り返していたら、このまま治らないのでは?と不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
それについては保障すると言い切れませんが、意外とこういうことから始めてみるといつかゼロに出来る日が近くなるのではと思います。”一回やってしまった!”ではなく”一回で我慢できるようになった!”と考えるとイメージがずいぶん違いますね。
我慢できていることにフォーカスしてみると前に進んでると思えますよね。私自身も一回だけなので、終わりが見えない、やってもやっても気持ち悪い、に振り回されすぎずに生活できるようになりました。
そこからもう一歩難しいことにトライしようとなれたりするものではないでしょうか。
良いも悪いもない
こちらはオリジナルの対処方法です。
見出しには”良いも悪いも”と書きましたが、不潔恐怖の私の場合は”キレイも汚いもない”と言い換えます。私の中では”きれい”に保ちたい場所や物があります。それを守りたいからこそ、”汚い”を避けて生活をしようとしています。
ですが、生活するということは”汚い”とは切り離せないものですよね…と考えると”キレイ””汚い”とは??、私が一生懸命守ってるものとは??とハテナが浮かんできます。
そう考えられたらチャンスです。だからそもそも”キレイも汚いもない”のではないかと。強迫行為がやめられない!まだ汚い気がするー!パニック!!に陥った時にこれを思い浮かべます。
そうだ、キレイも汚いもない!!!と言いましょう!
強迫行為をやっているときって、もう頭の中、真っ白というか大パニックで小さな自分が沢山いて、みんな大騒ぎしてあちこちにウロウロ・ワチャワチャしていませんか?笑 私はそんなイメージなんです。
そんなミニ自分達に一喝してやりましょう!「キレイも汚いもないんじゃー!落ち着けー!」と。こんなトライの仕方もあります。
段階的に挑む
不潔恐怖の私が一番怖いのはトイレ関係です。ここでは実践した二つの方法を書かせて頂きます。
今は完全に克服しましたが、5年ほど前はトイレ関係の中でも便が一番苦手だった時期があります。とてもお下品な話ですが(症状がきつい方はこの文章自体がきついかもしれませんね…)下着に汚れが付くのがとても嫌だったので、排便後はお尻が擦り切れるかもというほど、トイレットペーパーで拭きまくっていました。
しかもスッキリ出ないので、それはそれは毎回すごい量で何度もトイレを詰まらせた経験あります…拭く時間はかかるし、トイレットペーパーはすぐ無くなるし、詰まるし。
それをカウンセラーの先生に相談しました。すると先生から下着に貼るシート(女性にはわかると思いますがオリモノシート)を使ってみては?と提案されました。私は「え、でもそれって回避行動になりそうやし、シートが外せるようになるとは思えへんけど…」と不安になっていました。
とはいえ、対処法も他にはないので、早速試してみることに。もちろん、期間は長期にわたります、おそらく半年以上はかかったかと思います。
もちろん、シートがあるので下着が汚れることはありません。”ある程度拭いたら、下着を履く”を繰り返します。すると不思議なことにシートを外してみてもいいかも?!と思える日が来たのです。
そしてシートを外して、ある程度拭いて下着を履くが出来るようになりました。今では、万が一、下着が汚れていても洗えばいい、というところまで克服しました。不思議ですよね。なぜ、そういう風に思えるようになったのか、自分なりの見解を下に書きます。
【いきなり難しい課題に取り組むと】
1.いきなり少し拭いただけで下着を履く
2.汚れているとパニックになり、強迫行為が激しくなる
3.課題に取り組む気力が無くなる
【段階的に取り組むと】
1.”いきなり難しい課題”=”一回しか拭かず下着を履く”はやめる
2.”その一歩手前の段階“=”シートを貼って、ある程度拭いたら下着を履く”という感覚を体に覚えさせる
3.意外と最悪なことになっていない、不安が減っている感覚を体験する
4.上の体験から自信が湧いてきて、一番難しいと思っていた課題へ挑戦する気力が出てくる
もう一つは、実際の行動や場所での療法ではなく、イメージの曝露というものです。私は画像や動画などでトイレを見るだけでもパニックになってしまっていました。
そこでカウンセラーの先生から携帯電話でトイレの画像を見ることを提案されました。携帯電話自体をきれいな場所で触っていることとトイレへの恐怖感が強いことからこれを推奨されました。もちろん、キレイなトイレは大丈夫なのですが、汚いトイレが嫌なので、その画像や動画をみる宿題をもらったのです。
ですが、私にはそれがきつすぎて、数か月経っても中々挑戦出来ずにいました。それを先生に相談したところ、一番いやな画像はどんなものか、それよりマシなものは、それよりさらにマシなものは、と自分が我慢して見れそうなトイレの画像を段階分けしてくださいました。
全く挑戦出来ないほど、きつい課題にするよりも段階的でも今挑戦できるものからやろうということになりました。
こちらの見解も、いきなり難しいものに取り組んでやる気がなくなる、やれない日々を過ごすよりもまず出来るものから取り組んで、その次へその次へとハードルを上げていくという方法です。
頑張って一気にやってみる!という方はそちらで大丈夫だと思いますし、それが何より早く良くなると思います。
ですが、自宅で自分自身でやろうとしたら、なかなか強迫観念に勝てずに、挑戦できないまま終わってしまう、強迫行為をしてしまったと落ち込んでしまう方も多いと思います。
そんな方には段階的に取り組んでみるのをお勧めいたします。
まとめ
他の記事でもお伝えしていますが、病気に立ち向かうためには「絶対によくなりたい!絶対に治したい!」という気持ちがとても大事な事だと思います。
そのためにはやる気を維持することが同じくらい、とても大事なことです。だからこそ、無理をしすぎて、やる気がなくなってしまっては意味がありません。どんな辛い思いをしてでも、絶対に治すんだと強い意志が持てる場合は、一気にやってしまった方が早いです。
ただ病院や外出すら出来ない、自宅でまずは自分で出来ることはないだろうかと考えている方には、一気にやることは、耐え難かったり、結局は強迫行為を強化してしまうことになりかねません。
長い間苦しんできた病気、毎日振り回されているものだからこそ、焦らず一歩ずつ取り組むやり方でもいいのではないでしょうか。一進一退することもありますが、出来なくても落ち込まない、責めない、出来たら思いっきり褒めてあげる、これをやっていきましょう!
こちらも併せて読んでみて下さい!→【必読】強迫性障害で疲れたあなたに読んでほしい!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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